留置場での面会、差し入れについて
留置場とは
留置場(留置施設)とは、逮捕・勾留された人を留置するための施設です。
留置場は、各警察署内に設けられています。
拘置所との違い
留置場も拘置所も勾留される場所であるということでは共通していますが、留置場は警察の管轄下にあり、拘置所は法務省の管轄下にある点が異なります。
被疑者段階での勾留は留置場においてなされ、起訴されてからしばらく経つと、拘置所に移動することになるのが通常です。
拘置所は東京では小菅と立川に設けられています。
なお、刑務所も法務省の管轄下にある施設ですが、主として懲役刑または禁固刑の判決を受けた人を収容する施設である点で拘置所とは異なるものです。
留置場の選ばれ方
逮捕・勾留された人は、当該事件の捜査をしていた警察署の留置場において拘束されることが一般的です。
ただ、共犯事件においては共犯者を同一の警察署の留置場に置くことを避けるため、共犯者の一人は別の警察署の留置場に連れていかれます。
また、女性用の留置場が置かれている警察署は限られているので、女性被疑者は、捜査をしている警察署の留置場では勾留されないことが多いといえます。東京23区内での女性用留置場は、原宿警察署、湾岸警察署、西が丘分室に置かれています。
留置場での面会について
逮捕後から勾留までの間は通常面会できません。勾留された後に面会できることになります。
面会できるのは平日に限られます。土日・祝日は面会できません。
受付時間は多くの場合は午前8時半から午後4時ころまで(昼休みを除く)でしょうが、警察署によって異なるようなので直接確認した方がよいでしょう。
被疑者が検察庁や犯行現場に連れていかれているなどして留置場にいないこともあります。空振りを避けるためにも、事前に留置係に電話をして面会できるか確認しましょう。ただし、予約はできません。
面会時間は15分から20分くらいに制限されるのが一般です。
面会には警察官が立ち合います。通常、被疑者の背後に座っています。
1日に面会できる回数は1回(弁護人を除いて)に制限され、その際同席できる人数は3名までとなっていることが通常です。
他にも被疑者との面会予定者がいるのであれば、その方と調整するのがよいのかもしれません。
手紙を警察署にいる被疑者宛てに送ることもできます。ただ、手紙の内容は警察官にチェックされます。
共犯者がいる事件等では、裁判所により接見禁止処分というものが出されていることがあります。
接見禁止処分が出されていれば、弁護人以外とは面会や手紙のやり取り等ができなくなります。
ただ、弁護人の申請により禁止の範囲が変わり、例えば親や配偶者に限って面会できるとされることもあります。担当弁護士に相談すべきでしょう。
なお、接見禁止処分は起訴されるとなくなることが割と多いです。
外国人同士であっても面会時の会話は日本語で行うことを要求されます。したがって、被疑者が外国人で日本語を解さないときは、面会者、通訳人、弁護士の3人で面会に行くことで対応することが多いのではないでしょうか。
留置場での差し入れについて
差し入れは一般には警察署の留置場で行うことになります。
差し入れしたいことを警察官に伝え、所定の用紙に記入し、差し入れたい物を警察官に渡します。
差し入れの希望が多いものを個人的にランキングすると、①現金、②衣服(特に下着)、③本・雑誌の順番でしょうか。
なぜ、 お金が1位かというと、封筒や便せんなど、留置場内で買えるものがあるからです。
衣服(特に下着)は、他人が身に付けていたものを使うのは嫌だからでしょう。
本・雑誌は、留置場内では特にやることがないからだと思われます。
差し入れができるものには制限があり、例えば、自殺防止のためだと思うのですが、ひものついた服は禁止されています。
その他にも差し入れできるものには制限があるので、留置係にあらかじめ確認しましょう。