養育費の増額・減額請求
養育費の金額がいったん調停や審判で決まっても、その後に事情が変化した場合には、変化に応じた分担にしないと公平さを欠くことがあります。
そこで、事情が変化した場合には、養育費分担額を変更することができることがあります。
増額・減額が認められるほどに事情が変化したといえるときとは、一般的には、①客観的事情に変更が生じたこと、②当事者がその事情変更を予見できなかったこと、③事情変更が当事者の責によらないものであること、④著しく公平に反することと考えられています。
手続きとしては、任意の話し合いで決まらなければ、養育費増額又は減額の調停を申し立てることになります。
事情の変化の例としては、転職したことで給料が大きく変動した等の収入の変動が挙げられます。
養育費の分担は父母の経済状況を考慮して決められるべきものだからです。
また、権利者又は義務者が再婚して、扶養義務を負う範囲が変わることにより、事情の変化が認められることがあります。
例えば、義務者が再婚したときには、義務者は再婚相手やその間にもうけた子どもに対して扶養義務を負うことになります。
また、権利者が再婚して、子どもが再婚相手と養子縁組をしたときには、子どもの扶養義務は第1次的には養親である再婚相手が負うことになります。
これらのときには、事情の変化があったとして、養育費分担額の変更が認められることがあります。
事情変更があっても、新たな合意・審判を経ずして当然に分担額が変更するということはありません。
一般には請求時を変更の始期とすると考えられています。