残業代請求の手順・流れ
1 内容証明郵便
受任をしたら内容証明郵便で会社に残業代の支払いを請求します。
目的は、時効を止めるということと、契約書等の資料を開示してもらうことです。
残業代は2年の時効にかかるので、請求をすることにより時効の進行をいったん止める必要があります。
資料の開示を求める趣旨は、開示された資料が残業代の計算に資するからです。
2 残業代の計算
手持ちの資料・記憶と開示された資料から具体的な残業代の額を計算します。
通常はエクセルの計算ソフトを用いて行います。
残業代請求はこの計算がけっこう大変だったりします。
3 交渉
具体的な残業代の金額が出たら会社に再度連絡を取り、その額での支払いを請求します。
一般論として、会社に弁護士が代理人として就き、かつ、その弁護士による計算額がこちらと近ければ交渉による和解の可能性がそれなりにあるといえます。
4 裁判所の利用
会社と交渉が成立しなければ法的手続きをとることになります。
労働審判か訴訟かご依頼者に決めてもらうことになります。
大まかにいえば、裁判官に時間をかけて精密に審理をしてほしければ訴訟、迅速な解決を希望するのであれば労働審判ということになるでしょうか。
5 労働基準監督署の利用
労働基準法では残業代不払いを刑罰をもって禁止しています。
労基署に対し残業代不払いという労基法違反を申告した結果、労基署が調査を行い残業代が支払われるということも考えられます。
申告の方法としては、労基署に対しては氏名を明らかにするが、会社に対しては明らかにしない扱いとする匿名申告という方法を用いることができます。