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畜産動物とアニマルウェルフェア

はじめに
弁護士会の関係ですが、畜産動物とアニマルウェルフェア(≒動物福祉)について考えようということで、先進的な取り組みをしている養豚場・養鶏場を見学させてもらう機会がありました。
当該養豚場・養鶏場では、豚の放牧、比較的長い哺乳期間、国産飼料の使用、鶏の平飼い等の特徴がありました。

アニマルウェルフェアとは
アニマルウェルフェアは簡単にいうと動物に与える苦痛を最小限に抑えようという考え方です。
その内容としては、一般に、①適切な給水と給餌、②怪我や病気の適切な治療、③精神的な恐怖や苦悩などのストレスからの解放、④適切な気温や通風などの飼育環境、⑤動物の習性に応じた行動ができる自由が挙げられます。
アニマルウェルフェアに対する関心は近年高まっているといえ、特にヨーロッパで議論が盛んなようです。海外のオリンピック選手らが、東京オリンピック・パラリンピックにおいてアニマルウェルフェアに配慮した食材を提供するよう、小池都知事らに求めたという報道を耳にした方もいるのではないでしょうか。

日本における取り組み
動物愛護法においては畜産動物のみを対象とする条文はありません。
他方、農林水産省は、家畜のストレスや疾病が減ることが生産性の向上や安全な畜産物の生産につながるという観点から、畜産動物のアニマルウェルフェアを促進する立場をとっています。そのため、「アニマルウェルフェアの考え方に対応した家畜の飼養管理指針」「アニマルウェルフェアの考え方に対応した家畜の輸送に関する指針」「アニマルウェルフェアの考え方に対応した家畜の農場内における殺処分に関する指針」の普及に努めているとしています。ただ、それら指針は十分に守られていないのではないかという指摘や、そもそも水準が低いという指摘もあるようです。

実現の難しさ
畜産動物のアニマルウェルフェアを進めていく際には、①コスト、②衛生という観点からくる難しさも指摘されています。
例えば、カロリーの高い特別な飼料を使うことをやめたり、カロリーを消費する運動を制約しなかったりすると、飼育期間や飼料代がよりかかることとなり、生産コストが上昇することとなります。畜産業はペット産業と異なり海外との価格競争も激しいといえるのでしょう。
また、屋外での行動は野性動物等からの感染リスクも伴うことになります。

おわりに
見学させていただいた養豚場・養鶏場でも、効率性を第1に考えた場合と比べると、やはりコストがかかるということでした。
最終的には、消費者が価格が上がってもアニマルウェルフェアに配慮した肉を食べたいと思うか、どこまで食の安全性を追求するか、海外の動向をどのように評価するかなのでしょうか。
(山崎)

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