政治資金規正法違反被疑事件(2)
報道によれば、東京地検特捜部は、1月19日に、政治資金規正法違反(虚偽記入)の罪で、安倍派らの会計責任者と所属議員を起訴しましたが、安倍派の幹部は不起訴としたようです。
安倍派幹部の不起訴処分に対しては検察審査会への申立てが行われる見込みのようです。
捜査のポイントの一つは、会計責任者と安倍派幹部らとの間に共謀(犯罪の共同遂行の合意)が認められるかということでした。
報道では、安倍派幹部の不起訴の理由として、会計責任者と共謀をしたことの証拠が捜査しても見つからなかったということが挙げられています。
ただ、実行犯らに指示をしたことについての直接の証拠がなくても、実行犯らとの共謀を認定した判決は存在します。
例えば、現在控訴審に係属中ですが、福岡地裁は、令和3年8月24日に、工藤会トップに対し、①組織的に準備、実行された犯行であり、②犯行が被告人に無断で行われた可能性はなく、③動機もあるなどとして共謀を認め死刑判決が言い渡されています。
検察審査会では、①このような手法を本件に持ち込むことが妥当か、②本件で共謀を認定できるかが審査されるのかもしれないと推測するところです。
(山崎)