弁護士会が行う国際司法支援活動
今回は、弁護士の通常の業務以外の、委員会活動についてお話したいと思います。
弁護士には社会正義を実現する役割があるところ、弁護士会においては、各種委員会が存在し、通常の業務の傍らではありますが、委員会活動が活発に行われています。
その中でも、私が携わっている委員会活動として、弁護士の司法支援活動を紹介します。
司法支援活動といっても、耳慣れない言葉だと思います。
簡単に言うと、途上国に対する司法分野での国際協力活動のことです。
一番思い浮かべやすいのは、どこかの国の法律を作るということですが、仮に法制度だけ整備しても、これを適切に運用できる人材がいなければ、意味がありません。
また、多くの途上国においては、貧困や社会風習等から、法制度があっても、それを一般の人々があまり利用できていないという状況が見受けられます。司法アクセスが改善されてこそ、真に救済が受けられることを意味します。
このように、司法支援活動には、様々な分野がありますが、弁護士会が携わっているのは、主に法曹人材育成や司法アクセスの部分です。
私自身は、ラオスやモンゴルなどの国に関して、実際に現地に出向いてワークショップを開催したり、現地から法曹関係者を招いて能力強化のための本邦研修を実施したりしています。
日本の知見を伝えることにより、将来その国の司法を担っていくであろう人々にインスピレーションを与えるということは、とてもやりがいのある仕事であるとともに、個人的には、社会の安定に法が果たす役割の大きさを再認識させられることが多いように感じています。
なかなか、外からは見えないものでありますが、上記を一例として、弁護士が社会において様々な活動を行っていることの認識を持っていただければ幸いです。
(弁護士 中村恵)