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裁判以外のトラブル解決

弁護士として仕事をしていると,よくされる質問がいくつかあります。
「先生は,何件くらい事件を抱えているのですか?」
この質問をされたとき,私は頭の中で事務所にある事件ファイルを一生懸命思い出しながら指を折って数えて,こんな風に答えています。
「裁判になっているものは●●件くらいで,そうではないものと合わせると…今は大体●●件です。」

弁護士が扱っている事件というと,どうしても裁判(訴訟)というイメージが強いようなのですが,トラブル解決の方法はもちろん裁判だけではありません。相談され依頼を受けてから,相手の方にお手紙で連絡して交渉を行うということはとても多いですし,そのまま話し合いがまとまれば和解成立ということで裁判にはなりません。話し合いでのトラブル解決が難しいため,お互いに言い分を主張して,結論について裁判所に判断してもらうという「裁判(訴訟)」は,トラブル解決の方法としては,むしろ最終手段です。
このように,いきなり訴えるということはせずに,まずは話し合い・交渉を行うということが比較的多いのですが,いつも交渉が上手くいくとは限りません。相手の方からしたら,「敵」の弁護士の話は信用できないという場合もあります。

では,相手方との直接交渉が難しい場合には,裁判をするよりほかないのかというと,そんなことはありません。中立な第三者に入ってもらって話し合いのテーブルを移すということもあります。この中立な第三者として,専門知識がある弁護士が間に入る話し合いの手続として弁護士会で行っている「ADR」と呼ばれる制度があります。
あまり聞き慣れない方が多いのではないかと思いますが,ADRいうのは,「Alternative Dispute Resolution(=代替的紛争解決・裁判外紛争処理機関)」の略称で,裁判ではないトラブル解決のメニューの一つです。実際の手続のイメージですが,どちらの味方でもない中立な弁護士が仲裁人として間に入り,お互いの言い分を聞いた上で話し合いを進めるというものです。仲裁人として入る弁護士は,専門知識はもちろん,これまでの自身の弁護士経験も活かして,トラブルの解決策を模索します。また,非公開であることや,裁判よりも手続が比較的柔軟であることが特徴です。トラブルがあり困っているけれども,「あまり大ごとにはしたくない,訴えるのは抵抗がある」という方や,「秘密を守りたい」という方は,ADRの利用もお勧めです。

少し話は変わりますが,2011年3月11日の東日本大震災のとき,私は仙台市で弁護士業務を行っておりました。震災後,「隣の家のブロック塀が倒れてきた」「ローンの残っている車が流されてしまった」「マンションの上の階から水漏れがあった」など,震災を原因とする非常に多くのトラブルが生じました。こういったトラブルの解決方法の一つとして,仙台弁護士会では震災ADRという制度があり,多くのトラブルが話し合いを通じて解決されています。ごく一部ではありますが,解決事例について「3・11と弁護士~震災ADRの900日~」という書籍で紹介されておりますので,ADRのイメージを知りたいという方は,お手に取っていただければ幸いです。

最後に,弁護士をしていてよく聞かれる質問の中に,
「先生,この事件は勝てますか?」
というものがあります。
確かに,ご本人の話を聞く限り,この請求はおそらく認められるのではないかと思われる事案も中にはありますが,相手の反論や証拠が分からない以上,実際の結論がどうなるかは分かりません。また,裁判とはならずに話し合いでトラブルが解決することもとても多いです。
そして,何よりも相談者・依頼者の方の一番の希望がどこにあるのか,その方にとっての「勝ち」は何であるのかは,いつも意識するようにしています。時間がかかっても責任を明らかにしたいのか,一刻も早くトラブル関係を清算したいのか…ご希望は十人十色です。その希望に沿うように,適切な紛争解決のメニューを選ぶことができるよう努めていきたいと思います。
(弁護士 押見和彦)

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